数日先の洪水予測による避難準備のためのシグナル検知の可能性検討

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タイトル別名
  • Possibility of detecting signals for evacuation by flood forecasting in a few days later

抄録

<p>近年,局地的大雨や集中豪雨による災害が毎年のように日本各地で発生しており,その被害は甚大なものになっている.平成30年西日本豪雨においては,多くの死者が出るような被害であり,避難しなければならない状況だったにもかかわらず,避難しなかった人が多数を占めた.避難しない理由の多くに正常性バイアスが挙げられるが,その中でも突然の危険情報に対する不信・拒否反応に対しては前段階からの危険情報を伝えることで解消が可能だと考えられている.</p><p>そこで,本研究では 16日間の降水予報を用いることで流域における洪水をシグナルとして検出できる最長の時間を推定することを目的とした.対象河川は一級河川馬淵川(流域面積A=2,050km2)とし,流域単位での降雨を予測できるようダウンスケーリングした予測降雨を入力として長期の洪水予測実験を行った.</p><p>その結果, NCEPのGFSを用いた長期の降水予測及び水位予測において,馬淵川流域では5日前の予測計算を用いて降水及び水位上昇のシグナルをとらえることができたと考えている.このシグナルにより,リードタイムを長く確保した避難準備を行うことが可能であると考えられる.あくまで今回検討した1流域1洪水の予測結果のみでの考察であるため,今後は豪雨の要因や予測地点,流域の大きさによる精度検証などさらなる検討の余地が残る.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572034437024640
  • NII論文ID
    130008138078
  • DOI
    10.11520/jshwr.34.0_338
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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