田沢湖の水質・風の観測データに基づく湖水循環機構の考察

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  • Circulation mechanism of lake water in Lake Tazawa based on characteristics of water quality and wind

抄録

<p>本研究では,秋田県東部に位置する田沢湖において,表水層から深水層における季節的な水温・水質の変化を調査し,湖水循環機構を明らかにすることを目的として,2019年6月~2021年4月に定期的な湖水・流入河川水の調査を行った.加えて,気象観測装置を田沢湖湖岸に設置し,継続的な風向・風速の観測を行っている.それらの観測結果より,田沢湖湖水の循環機構について考察を行った.田沢湖における2021年4月の水温測定結果や過去の表層部の水温観測データより,2021年には2~3月に表層部の水温が4℃程度になり,浅部から深部までの湖水の水温および密度差が小さくなることで湖水循環が起こりやすい状態になっていたことが推測された.また気象観測結果より,田沢湖においては西・西北西方向からの風の平均・最大風速が比較的大きく,これらの風が湖水循環の駆動力の一つであったと考えられた.2020年11月と2021年4月の水質測定結果(pH,ECκ4)を比較すると,2021年4月には,2020年11月と比較して全体的な差が小さくなったが,水深100m以浅と水深200m以深で差異が認められた.これらの結果は,2~3月頃に表層から深層までの湖水温の差が小さくなるとともに強い季節風によって湖水が攪拌されることにより,湖水の循環が促進されるという従来の推定プロセスを裏付けるものと言えるが,全層循環が毎年に起こるわけではないと考えられた.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572034437041408
  • NII論文ID
    130008138100
  • DOI
    10.11520/jshwr.34.0_82
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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