外部場に伴う無機半導体材料の室温塑性変形挙動の変化

  • 中村 篤智
    大阪大学大学院基礎工学研究科 科学技術振興機構さきがけ
  • 大島 優
    名古屋大学大学院工学研究科
  • 松永 克志
    名古屋大学大学院工学研究科 一般財団法人ファインセラミックスセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Room-temperature Deformation Behavior of Inorganic Semiconductor Materials Depending on External Fields
  • ガイブジョウ ニ トモナウ ムキ ハンドウタイ ザイリョウ ノ シツオン ソセイ ヘンケイ キョドウ ノ ヘンカ

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説明

<p>近年,脆く壊れやすいと考えられていた半導体材料が室温でも高い可塑性を示しうることが明らかとなっている.例えば,チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)結晶では,点欠陥濃度を制御することで室温での塑性変形能(可塑性)が向上する.また,硫化亜鉛(ZnS)結晶では,光照射下では壊れやすいが,暗闇の中では大きな可塑性を発現する.このように従来想像すらされていなかった結晶の異常な可塑性が見出され,大きく注目を集めている.これら半導体ともセラミックスとも言える材料系は,脆いがゆえに構造材としての適正がなく,結果として専ら機能材料として利用されてきた.材料の脆さを克服できるメカニズムが見つかれば,そのメカニズムの理解は様々な材料系にとって非常に有用であり,構造材として利用できる材料系の拡大が期待される.本稿では,結晶の形状変化のその場観察および電子顕微鏡による転位組織観察を元に,SrTiO3よびZnSの可塑性向上に関する最新の研究を議論する.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 56 (3), 110-115, 2021-12-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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