近代日本の大都市における同業組合の制度と空間的スケール

書誌事項

タイトル別名
  • Spatial Institution of a Trade Association in a Modern Japanese Metropolis
  • キンダイ ニホン ノ ダイトシ ニ オケル ドウギョウ クミアイ ノ セイド ト クウカンテキ スケール

この論文をさがす

抄録

<p>    近年,産業革命期の産業集積(産業地域)の形成や発展に関心を寄せる歴史地理学や経済史研究の領域では中間組織の役割に関心が集まっており,その代表例に同業組合が存在する.既往の同業組合研究では,近代における法制度の規定により,同業組合が対象とする空間的スケールは府県あるいは郡市単位であることを自明とし,検討対象も農山村を基盤とした地場産業に集中させる傾向にある.しかしながら,最初に同業組合制度が形成された大都市では,すでに存在した近世の株仲間を基盤にして同業組合の制度が整備されたことが知られており,株仲間は職縁により都市内部で特定の地区に集住する存在でもあった.本稿は,近代日本の同業組合史研究について空間的スケールの問題がどのように取り扱われてきたのかを整理し,明治期の道修町を中心とした大阪北船場を事例に,医薬品産業の同業組合が都市内地区レベルの空間的スケールに対応した制度として作用したことを明らかにする.</p>

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ