梅雨期集中豪雨における大気下層水蒸気フラックスのフラクタル解析

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タイトル別名
  • Fractal Analysis of Low-Level Water Vapor Flux Associated With Baiu Heavy Rainfall

抄録

<p>積乱雲が組織化されることで数時間~ 半日程度に渡り局地的な豪雨がもたらされる梅雨期集中豪雨は災害リスクの高い現象である一方で,豪雨のリアルタイム予測は未だに挑戦的な課題である.積乱雲が組織化されるバックビルディング現象が発生する原因として,梅雨前線に伴って対流圏下層に顕著な水蒸気フラックスが供給され,対流や水蒸気,降水粒子等の力学・熱力学的な効果によって積乱雲がより長時間に渡って発生しやすい環境場が形成されることが指摘されている.しかし,物理法則にしたがったランダム性を含む水物質の振る舞いと非線形的な効果によってバックビルディング現象が創発されることは自明ではなく,梅雨期集中豪雨の発生メカニズム解明,ひいてはリアルタイム予測に向けた重要な課題となっている.すなわち前者は,水物質の振る舞いとバックビルディング現象という空間スケールのオーダーが異なる現象の関係性を説明するという理学的な観点を,後者はその関係性に基づいた豪雨発生リスクの早期探知,ならびに定量的な短時間降水予測の可能性といった工学的な観点を有している.ここで積乱雲の組織化を紐解くための観点の一つとしてフラクタルが挙げられる.フラクタルは自然界の様々な自己組織化現象と関連の深い概念であり,雲が持つフラクタル性もまた様々な研究がなされてきている.一方で,降水粒子の源である水蒸気フラックスは対流に伴って変化することが期待されるものの,そのフラクタル性に関する研究はほとんどなされていない.そこで本研究は,梅雨期集中豪雨に関連した水蒸気フラックスが持つフラクタル次元の時空間的な変化,ならびに降雨との関連性について解析することを目的とする.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572034441070848
  • NII論文ID
    130008137973
  • DOI
    10.11520/jshwr.34.0_200
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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