内分泌系の心身症における心身相関

書誌事項

タイトル別名
  • Psychosomatic Correlates of Endocrine Disorders : Focusing on the Pathogenesis of Anorexia Nervosa
  • 内分泌系の心身症における心身相関 : 神経性やせ症の病態を中心に
  • ナイブンピケイ ノ シンシンショウ ニ オケル シンシン ソウカン : シンケイセイヤセ ショウ ノ ビョウタイ オ チュウシン ニ
  • ―神経性やせ症の病態を中心に―

この論文をさがす

抄録

<p>本稿では,内分泌系の心身症の中でも神経性やせ症(AN)を取り上げ,その病態および心身相関について最新の知見を交え概説する.視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸は,ストレスシステムの主要な構成要素であるが,ANにおいても主として飢餓の影響から,HPA軸が活性化されている.また,視床下部-下垂体-性腺軸,成長ホルモン-インスリン様成長因子1軸の異常をきたす.さらに,摂食調節ホルモン,サイトカイン,自律神経系も変化する.近年は,脳機能画像解析と,腸内細菌の研究成果から,ANに特徴的な認知行動特性を理解するうえでの新しい知見が得られている.ANは,やせ願望,肥満恐怖を中核病理にもつ精神疾患に分類されるが,その病態理解においては,bio-psycho-socialの視点が重要である.今後の各研究分野の発展と統合により,ANのさらなる疾患メカニズムの解明が進むことが期待される.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 62 (1), 57-64, 2022

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ