試論 : 退屈を考える
書誌事項
- タイトル別名
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- On Boredom
- シロン タイクツ オ カンガエル
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説明
退屈は時間との関わりを独特な形で表現する感情、心理の一形態である。しかし、現代社会において、退屈は単なる個人の感情というレベルを越え、社会の特徴の一つとして、また時代の象徴とされるまでになっている。今や退屈は紛れもなく社会学的課題の一つである。退屈が人間に固有であるとするなら、それが人間の活動、行為様式と深く関わっていることが推測されよう。そこで、本稿は人間の活動、行為様式を自己成就的預言構造を持つ、現実産出活動として捉え、その点から退屈の位置づけを考察する。本稿の最大の課題がこれである。この課題の解明を目指して、第一に、退屈が生まれてくる条件を幾つかの例から検討し、策二に、自己成就的預言そのものについて考察し、最後に、以上二つの点についての考察から退屈の基本的な在り様を究明する。さらにこの考察から、退屈の代表的なバリエーションである、コミュニケーションにおいて「つまらなさ」の伝達に利用される退屈、についての検討も可能となる。
収録刊行物
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- 年報人間科学
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年報人間科学 16 107-125, 1995
大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174053686912
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- NII論文ID
- 110004746806
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- NII書誌ID
- AN0020011X
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- DOI
- 10.18910/8388
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- HANDLE
- 11094/8388
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- ISSN
- 02865149
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles