古文書のAMS <14>^C年代 : 近世の古文書と浄瑠璃寺阿弥陀如来像印仏の測定結果

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  • Radiocarbon ages of ancient Japanese documents

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抄録

我々は1998年より, 加速器質量分析法による^<14>C年代測定が, 古文書の年代判定法としてもつ有効性と限界とを示すことを目的として, 書跡史学の見地から年代を求めた古文書の^<14>C年代測定を名古屋大学加速器質量分析計1号機を用いて行ってきた.1998年度には, 平安末〜鎌倉初期の「十一面観音法」紙背書状と文保二年の大嘗祭に際してのものと考えられる右少弁吉田冬方奉御教書, 二点の測定を行い, 1999年3月に発行された業績報告書においてその研究結果を報じた(小田・増田ほか, 1999).また, 1999年度にはさらに五点の古文書資料について測定を行い, その結果を古経典について得られていた結果とあわせて, 2000年3月の業績報告書において報告した(小田・増田ほか, 2000).こうした研究から, 和紙は"old wood effect"による誤差(ずれ)が小さく, 暦^<14>C年代が歴史学的年代と大きく異なるものではないことを明らかにしてきた.本年度は, さらに五点の資料について測定を行った.今回の測定は, これまでの研究の延長線上に位置するものであり, その測定結果はこれまでの成果から得られている結論を補強するものとなった.そこで本報は, 今年度測定を行った五点の資料について, その解説と^<14>C年代測定の結果を報じるものとする.また, 京都浄瑠璃寺の九体阿弥陀如来像の胎内に納められていたと伝えらる印仏三点についても測定を実施したので, その結果もあわせて報告する.実験手順等についてはこれまでの報告にあるとおりであるが(小田・増田ほか, 1999;小田・増田ほか, 2000), 今年度より測定には名古屋大学加速器質量分析計2号機を用いた.

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