スギ落葉有機組成分の生分解(第2報) : 2年および3年経過リターの組成分について

書誌事項

タイトル別名
  • Biodegradation of organic components of Japanese cedar leaf litter (2) : On the components of 2nd and 3rd year’s rotten litter
  • スギ落葉有機組成分の生分解-2-2年および3年経過リターの組成分について
  • スギ ラクヨウ ユウキグミ セイブン ノ セイブンカイ 2 2ネン オヨビ 3

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抄録

前報で林床上14ヶ月にわたるスギリター有機組成分の生分解について報告した。今回は更に林床上で18ヶ月以降、38ヶ月まで生分解させたA系列スギリターの有機組成分の分析を行った。これとは別に林床への設置を1ヵ年遅らせたB系列の試料も分析した。リターの抽出成分および炭水化物の変動は分解初期に大きく、後期には小さかった。一方、クチンは比較的易分解性で20~30ヶ月で完全に分解された。リターのKlasonリグニン値の変動は生分解の初期に大きく、また後期には約60%前後の値に達するがそのリグニン中には窒素が1%以上含有されていた。チオグリコール酸法でリターのリグニン含量を定量するとKlasonリグニンのほぼ半量の値となるがチオグリコール酸リグニン中にも0.8%の窒素が含まれていた。針葉およびリターの過大なKlasonリグニン値は共存する含窒素化合物の影響が推定される。これを確かめるためタンパク質、アミノ酸、プリン塩基をそれぞれKlason処理しても沈殿は得られなかった。タンパク質を摩砕リグニンと共存させ酸処理を行うと過大なKlasonリグニン値が得られた。腐植物質もタンパク質と類似の行動をとりKlason処理によりリグニンと共沈するものと推定された。

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