拡大前頭洞手術における遊離下鼻甲介粘膜 graft とシリコンシート留置の有用性

  • 石野 岳志
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 川住 知弘
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 高原 大輔
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 西田 学
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 園山 徹
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 竹本 浩太
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 河野 崇志
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 樽谷 貴之
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 濱本 隆夫
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 上田 勉
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室
  • 竹野 幸夫
    広島大学大学院医系科学研究科耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Combined Free Inferior Turbinate Mucosal Grafting with Silastic Sheet Stenting for the Prevention of Restenosis in Extended Frontal Sinus Surgery
  • カクダイ ゼントウドウ シュジュツ ニ オケル ユウリ カ ビ コウカイネンマク graft ト シリコンシート リュウチ ノ ユウヨウセイ

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抄録

<p> 拡大前頭洞手術における neo-ostium の露出骨面の被覆は術後成績の改善に重要な点の一つである. 遊離下鼻甲介粘膜 graft による被覆は, 有茎粘膜弁 (pedicle flap) と異なり, 自由な留置が行いやすく, シリコンシートを併用することでその安定性を改善させることができる. 当科で行った本方法を使用した拡大前頭洞手術症例 (Draf type III) をまとめ, その方法と結果について報告する. 2016年9月~2018年6月までの間で同一術者により遊離下鼻甲介粘膜 graft とシリコンシートを活用する方法にて被覆を行った Draf type III 実施副鼻腔炎患者で, 術後12カ月までの経過を確認できた8例において, 術後12カ月の時点での neo-ostium の開存度を評価した. 8例において, 遊離下鼻甲介粘膜 graft の生着は100%であり, neo-ostium の形態は全例馬蹄形を維持し良好であった. また下鼻甲介の癒着や合併症は認めなかった. 拡大前頭洞手術における遊離下鼻甲介粘膜 graft とシリコンシート留置により neo-ostium の良好な形態維持は可能であり, pedicle flap を用いなくても良好な成績を得ることが可能であった. 拡大前頭洞手術における neo-ostium の形態維持の方法の一つとして本方法が有効である可能性が考えられた.</p>

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参考文献 (13)*注記

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