大学アウトリーチ事例「子どもの大学」の検討

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タイトル別名
  • An Investigation of the Children’s University: A New University Outreach Idea in Europe
  • ダイガク アウトリーチ ジレイ コドモ ノ ダイガク ノ ケントウ

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抄録

本稿の目的は、ヨーロッパにおける大学アウトリーチ活動の一つである「子どもの大学」の特徴と広範な普及の理由を明らかにすることである。「子どもの大学」が子どもを大学に集めて講義を行うものであるのに対し、近年の大学組織や大学教員によるアウトリーチ活動には、講義のような一方向的な知識伝達から脱却して双方向性をもたせることが要請されている。それにも関わらず、この活動は数年のうちにヨーロッパ諸国に普及し、EU から賞を授けられ、公的資金供与を受けて実践者のネットワークを構築するなどの展開を見せている。「子どもの大学」について現地訪問調査を実施した結果、現状と普及の理由について以下の知見が得られた。1)講義形式ながらも、学術知識ではなく「大学らしさ」を知ってもらうことを主目的としている、2)そのための仕掛けがある、3)テーマの立て方に特徴がある、4)企画運営の担当は現役研究者ではない、5)マスメディアとの連携協力が行われている、6)メディア露出や受賞が素早い普及につながった。 知識ではなく大学文化を伝える「子どもの大学」からは、日本の大学における今後のアウトリーチ活動に対する示唆も得られた。

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