英国コーポレートガバナンス・コード改訂に関する一考察 : カルチャープロジェクトの影響とステークホルダー重視の動き

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  • A Study of Revisions to the UK Corporate Governance Code 2018 : The Impact of the Culture Project and the Influence of Strengthening Stakeholder Consideration

抄録

英国のコーポレートガバナンス・コードが,2018年7月に大幅に改訂された.今回は主として,(1)ステークホルダーの利益考慮,(2)適切な企業文化の構築,(3)サクセッション(後継者計画)とダイバーシティ,(4)役員報酬,に関する改訂がなされた.本稿ではこのうち,(1)と(2)に関して,改訂の背景・経緯とその内容などについて検討した.今回のコード改訂は,企業の短期主義の弊害や不祥事の発生,ブレクジットとメイ首相の登場などを背景として議論が進められたもので,FRCによるカルチャープロジェクト,政府・議会下院の委員会によるステークホルダーとの関係強化などに関する議論を通じて,コードの改訂内容が固まっていった.改訂コードには,企業文化を考慮することの重要性,ステークホルダーの利益を考慮することの重要性が謳われているが,それらは抽象的な記載に留まっていることから,企業が今後,改訂コードに基づいてどのように対応するのかが重要であり,これらの分析を進めることを今後の課題といたしたい.

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