武力紛争下の<女性>とは誰か ― 女性・平和・安全保障アジェンダにおける主体の生産と主権権力

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タイトル別名
  • Who Are “Women” under Conflicts? The Production of Subjectivities and Sovereign Power in the Women, Peace and Security Agenda
  • 武力紛争下の〈女性〉とは誰か : 女性・平和・安全保障アジェンダにおける主体の生産と主権権力
  • ブリョク フンソウ カ ノ 〈 ジョセイ 〉 トワ ダレ カ : ジョセイ ・ ヘイワ ・ アンゼン ホショウ アジェンダ ニ オケル シュタイ ノ セイサン ト シュケン ケンリョク

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抄録

女性・平和・安全保障に関する国連安保理決議1325号(2000)および関連決議から成る「WPSアジェンダ」は、国際安全保障のジェンダー主流化によって持続的平和をめざすものとされる。しかし、そのタイトルが示すように、同アジェンダは実際には、安全保障とジェンダーというより〈女性〉に関心を集中させてきた。WPSアジェンダにおける〈女性〉とは誰か。それはどのような存在として表象され、どのように国際安全保障の言説実践に配置されるのだろうか。本稿では、国際関係におけるジェンダー化・性化・人種化された主体性の生産と主権権力の構成に関するポスト構造主義理論に拠りながら、WPS アジェンダにおける本質主義的で分裂した〈女性〉の表象を、世界を理解可能な形で記述し、主権のはたらきを可能にするような形象として分析する。安全保障の分野に初めて明示的に挿入された〈女性〉主体は、冷戦後世界における脅威と平和の性質について固有にジェンダー化・性化・人種化された知識を作り出すことを通して、国際安全保障の階層的秩序を維持・再生産する主権権力を基礎づけるように機能するのである。

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