地方小規模心理系単科大学における心理学教育の評価-日本心理学諸学会連合の心理学検定試験を用いて-

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抄録

type:P(論文)

本稿では,心理学を教育・研究する地方小規模単科大学で学んでいる学生の心理学検定試験の結果と,それらの学生が大学で受講した心理学専門科目の成績との関連から,その大学の心理学教育の効果を検討することを目的とした。その結果,回生が上がるにつれて心理学検定試験の合格科目数や級取得割合は増加した。また,A 領域の合格科目数はA 領域に関連する大学開講の心理専門科目の単位修得科目数や平均得点と正の相関が認められ,大学開講の心理専門科目の成績から予測できることが示唆された。さらに,A 領域の各科目に関連した心理専門科目得点は,A領域の各科目において不合格者群よりも合格者群で高く,級未取得者よりも級取得者で高かった。これらの結果は,心理学教育の効果が認められたことを示している。これらの結果を踏まえ,調査を行った大学で展開されている心理学のカリキュラムや心理学専門教育の質が学生の確実な成長を保証する内容となっているかを考察するとともに,心理学のカリキュラムを展開する大学の内部質保障システムのツールの1つとして,心理学検定試験の利用可能性と問題点について考察した。

収録刊行物

  • 聖泉論叢

    聖泉論叢 18 67-76, 2011

    [出版社不明]

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