書誌事項
- タイトル別名
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- <Article>Pacifism in the Constitution of Japan and Strategies of National Security
- 日本国憲法の平和主義と、安全保障戦略
- ニホンコク ケンポウ ノ ヘイワ シュギ ト 、 アンゼン ホショウ センリャク
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説明
憲法第9条第2項は、集団安全保障が完全に有効であることを条件として強制力を発揮するプログラム規定であるというのが、その立法趣旨である。このことは、マッカーサーの意図に基づくGHQ草案形成プロセス、議会における吉田首相の答弁や芦田修正の経緯からわかる。残念ながら、冷戦の激化とともにその条件は完全に失われ、立法趣旨も隠蔽された。立法趣旨に適った法理を最初に提唱したのも、後にやむをえず封印したのも、宮沢俊義であった。憲法第9条や非武装をめぐる論争は、ソ連の反応に関する異なった予想のもとでの合理的選択の解の間の対立だった。第9条を絶対的規範として尊重すべきか否かという論戦だったわけではなく、状況の変化に応じて新しい解釈や改正をしてよいというコンセンサスがあった。しかし、冷戦後、第9条を支持する意見は教条的で柔軟性を欠くようになってしまった。私たちは、前文が言及している集団安全保障を真に確立することを目的として、第9条を柔軟に取り扱うべきであろう。
収録刊行物
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- 国際日本研究
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国際日本研究 7 1-25, 2015-03-02
筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174603895168
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- NII論文ID
- 120005608157
- 40020428613
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- NII書誌ID
- AA12424473
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- HANDLE
- 2241/00124619
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- NDL書誌ID
- 026321862
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- ISSN
- 21860564
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可