日本語母語話者による韓国語習得における語彙能力と読解の因果関係

DOI 機関リポジトリ HANDLE HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • A causal relationship between lexical ability and reading comprehension in Korean by native Japanese speakers
  • ニホンゴ ボゴワシャ ニ ヨル カンコクゴ シュウトク ニ オケル ゴイノウリョク ト ドッカイ ノ インガ カンケイ

この論文をさがす

抄録

韓国語は日本語と統語的に類似した言語ではあるが語彙体系は全く異なっている。また表記体系も日本語との類似点が見られない。そのため,韓国語の読解には語彙的な負荷が考えられる。本稿では,韓国語を第二言語として学習する日本語母語話者61名を対象に品詞と語種の下位項目からなる48問の韓国語語彙能力テストと,韓国語能力試験(TOPIK)とハングル能力検定試験の配当級に準拠した12問からなる読解テストを実施し,語彙能力と読解との因果関係を構造方程式モデリング(SEM, structural equation modeling)の手法で検討した。その結果,語彙能力テストの品詞別に検討した場合,β=0.99(p<.001)で語彙能力が読解に極めて高い影響を及ぼしていた。同様に,語彙能力テストの語種別に検討した場合においても,β=0.98(p<.001)と極めて高い影響が見られた。この結果,韓国語の読解に語彙能力が強く影響していることが観察され,語彙能力を向上することで,読解が促進されることが予想される。

収録刊行物

  • ことばの科学

    ことばの科学 28 111-123, 2014-12-05

    名古屋大学言語文化研究会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ