Unobtrusive Measures(非影響的測定法)

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説明

概ね行動科学の実証的方法は研究者が対象者になんらかの刺激を与えそれに対する反応を問う形をとる。研究活動が研究者の自ら設定する枠組みにそって対象に接近するという自覚的な活動であるかぎり、当然な営みであることといえる。しかし、ほとんどの実験科学において当然視されているこの方法に関して、こと人間を対象とする分野においては問題無しとはされない。それどころか特に人間関係やその相互影響を主たる対象とする社会心理学では、いわゆる社会心理学の危機論争の中で、実験の人為性や非日常性といった批判を受けることとなる。その論争の中で示されたものの一つに実験的方法以外の看過されてきた手法の見直しがある。すでに1966年にWebb,J.E., et al.がUnobtrusive Measures : Nonreactive Research in the Social Sciences という示唆的な書を出しているが、必ずしも十分知られた立場とはいえない。ここではそういった論議に沿いながら、この立ち場を紹介するともに、特に観察法について触れ、その応用可能性について考察する。

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