善意の受益者又は転得者からの悪意転得者の詐害行為責任について

書誌事項

タイトル別名
  • The Validity of Actio Pauliana
  • ゼンイ ノ ジュエキシャ マタ ワ テントクシャ カラ ノ アクイテントクシャ ノ サガイ コウイ セキニン ニ ツイテ[サイハンショウワ 49.12.12,ダイ レンバン メイジ 44.3.24,オオバン タイショウ 9.5.29]
  • ゼンイノジュエキシャマタハテントクシャカラノアクイテントクシャノサガイコウイセキニンニツイテ

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抄録

通説・判例は,債権者取消権の効果は,相対的で,取消権者と受益者又は転得者との間でのみ法律行為が取消されるので,その他の者との間の法律関係には影響を及ぼさないと解している(相対的効力説)。さらに,この見解によれば,善意の転得者からさらに転得した者が悪意である場合に,その前者が善意であっても,悪意の転得者に対して債権者取消権(民法424条)を行使できるとしている。しかし,本研究では,債権者が,善意者からの悪意転得者に対して債権者取消権を行使することができるとされていることを問題視したいと思う。  私見は,独立的善意者が現れた場合には,その者が現れた段階で詐害行為性は無くなることを理由に,転得者が「悪意者」であっても,その者に対して,債権者取消権の行使は認められないと考える。ただし,例外として,中間介在者がわら人形的善意者として介在させられた場合にのみ,悪意転得者に対して,債権者取消権の行使は認められると解する。

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