水稲の育苗箱全量施肥における培土と施肥位置が苗箱内の水分環境に与える影響

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  • Effects of One-shot Application of Controlled-release Fertilizer According to Water Characteristics in a Nursery Box for Rice
  • スイトウ ノ イクビョウバコ ゼンリョウ セヒ ニ オケル バイド ト セヒ イチ ガ ナエバコ ナイ ノ スイブン カンキョウ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

水稲の疎植栽培の普及などにより、育苗箱全量施肥を行う際、苗箱への肥料の多量施用が必要となる機会が増えている。肥料の多量施用は苗箱中の保水性や苗の生育に影響を及ぼす可能性がある。そこで本研究では多量施用を行った場合の育苗時の乾燥ストレスの可能性について検討を行った。施用量は0,600,1200g/箱とし、培土の種類、施肥位置(混合、層状施肥、箱底施肥)をかえ、無加温育苗での農業フィルムの被覆期間と灌水開始以降の水分環境について検討した。被覆期間においては表面から5mmの土壌の水分と出芽率の間に有意な正の関係がみられ、最大容水量が大きい培土、または箱底施用で表層土壌の含水比が高まり、出芽率が高くなった。被覆除去後においては苗箱の保水性と苗の乾物重に有意な関係は見られたが、決定係数は小さかった(r2=0.13)。以上から被覆期間において出芽率が低下するリスクを第一に考える必要があり、これを防ぐためには最大容水量の大きな培土を選ぶこと、箱底に施肥することが効果的だと結論した。

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