製麺用高アミロース水稲品種「越のかおり」の育成

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タイトル別名
  • Koshinokaori, A New Rice Noodle Cultivar
  • セイメンヨウ コウアミロース スイトウ ヒンシュ 「 エツ ノ カ オリ 」 ノ イクセイ

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説明

「越のかおり」は日本型の高アミロース品種の育成を目的として,北陸農業試験場(現 中央農業総合研究センター北陸研究センター)において,連続戻し交配により,インド型品種「Surjamukhi」のWxaを日本型品種「キヌヒカリ」に導入した高アミロース品種である。2005年から「北陸207号」の系統名で関係各県に配布し,奨励品種決定調査に供試すると同時に,製麺適性を民間企業との共同研究で検討してきた。2008年8月5日に種苗法に基づく品種登録の出願が公表され,2011年2月15日に品種として登録された。「越のかおり」は製麺時の麺離れが良く,製麺への加工適性が高い。「越のかおり」の特性の概要は以下のとおりである。1. 出穂期は「コシヒカリ」より2日程早く,成熟期は「コシヒカリ」並で,育成地では“中生の早”である。2. 稈長は「コシヒカリ」より短く「キヌヒカリ」並の“やや短”,穂長は「コシヒカリ」より短く“やや短”,穂数は「コシヒカリ」よりやや少ない“中”,草型は“偏穂重型”,脱粒性は“難”である。粒形は「コシヒカリ」と同じく“中”である。耐倒伏性は「コシヒカリ」より強く,“やや強”である。3. 収量性は,標肥区では「コシヒカリ」よりやや少収であるが,多肥区では「コシヒカリ」並。千粒重は,「コシヒカリ」よりやや重い“中”である。4. 白米のアミロース含有率は,「コシヒカリ」より15ポイント程度高く,麺に加工した場合に麺離れが良い。5. いもち病真性抵抗性遺伝子はPiiと推定され,葉いもち圃場抵抗性は“中”,穂いもち圃場抵抗性は“やや弱”である。穂発芽性は“やや易”,障害型耐冷性は“弱”である。

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