朝顔・昼顔・夕顔・夜顔 : 体系化を目指した花の名

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抄録

「朝顔」は奈良時代には特定の花の名ではなかった。現在の牽牛花を「朝顔」と呼ぶようになったのは平安時代からのことだとされるが、同じ頃に同じく蔓性草本で夕方に漏斗状の花を開くものが「夕顔」と呼ばれるようになるのは、「朝-夕」という語の対応が前提となっている。江戸時代には「昼顔」という名が現れるのも「朝-昼-夕」という語の体系がその前提としてあり、明治時代に新渡来種に「夜顔」の名が付けられたのも「昼-夜」という対語が基になっているのである。本稿はこれまで植物学的な類似によって注目されてきたこれらの名前を語の体系という観点から捉えてみたものである。それによって、夕顔と夜顔との混同の理由が理解されることになる。

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