『源氏物語』「らうたげ」の再検討 : 光源氏の視点から

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  • ゲンジ モノガタリ ロウタゲ ノ サイケントウ ヒカル ゲンジ ノ シテン カラ

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抄録

本稿では、光源氏の視点からの美的形容、特に「らうたげ」に注目し、その語が多用されている夕顔・女三の宮・紫の上と、やや特殊な用いられ方をしている葵の上・藤壺の五人を対象に考察した。その結果、「らうたげ」は見られている女性の美的形容という以上に、見ている男性の思い込みや精神状況の変化を示すことが明らかになった。読者が見せられていたのは実像ではなく、光源氏の目を通して描写されることで、彼の感情や精神状況が強く反映された女性像だったのである。

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