小細胞神経内分泌癌と腺様嚢胞癌と扁平上皮癌による混合癌であった子宮頸癌の1例

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  • Co-existing small-cell neuroendocrine carcinoma, adenoid cystic carcinoma, and squamous cell carcinoma of cervical cancer:a case report

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抄録

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子宮頸癌で2種類の組織型の混合癌の報告例は散見されるが、3種の混合癌の報告はほとんどない。今回、子宮頸癌で3種の組織型の混合癌を経験したので文献的考察を加え報告する。症例は67歳、4 妊3産。不正性器出血を主訴に前医を受診頸部細胞診で小細胞癌が疑われ当科紹介となった。腟鏡診で子宮頸部に肉眼的病変なし、頸部組織診で小細胞癌の診断であった。内診で子宮傍組織浸潤を認めず。MRIで子宮頸部に20mm大、T2強調画像で高信号を示す腫瘤性病変を認めた。画像検査で遠隔転移を認めず、子宮頸癌IB1期の診断で腹式広汎子宮全摘術、両側付属器摘出術を施行した。子宮頸部病変内にはN/C比の高い小型の異型細胞が充実性に増殖しており、免疫染色でCD56,Synaptophysin,NSEが一部陽性を示したため小細胞癌と診断した。また、一部で類基底細胞様の腫瘍細胞が大小の胞巣を形成しながら浸潤増殖を示しており、免疫染色でαSMA,CD10,p63に陽性であったため腺様嚢胞腺癌の混合癌と診断した。さらに角化を伴う低分化な成分も含まれており、扁平上皮癌も混在していると判断した。子宮間質浸潤2/3以上であったが、リンパ管・脈管侵襲はなく、骨盤リンパ節転移も認めなかった。以上より小細胞神経内分泌癌、腺様嚢胞癌、扁平上皮癌の混合癌、pT1bN0M0(UICC第8版より)と診断した。術後再発中リスク群としてエトポシド/シスプラチン療法を行い、術後1年以上再発なく経過している。

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