ヨードホルム中毒;血清ヨード濃度が高値で長期間に渡る意識障害を呈した症例報告

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  • Iodoform Intoxication ; A Case Report of Prolonged Consciousness Disturbance in a Patient with a High Plasma Iodine Level

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抄録

我々は感染創に対するヨードホルムガーゼの使用中に意識障害が出現した症例を経験した.意識 障害時の血清ヨード濃度は,過去に報告された最高値の6倍を超える高値であった.直ちに使用を 中止したところ,徐々に意識回復を認め3ケ月後に完全回復したので文献的考察を加えて報告す る.【症例】コントロール不良の糖尿病を合併した71歳の男性.硬膜外膿瘍に対して椎弓切除術及 び両側上肢の筋膜炎に対してデブリードメントが施行された.術後にヨードホルムガーゼを創部に 使用し,定期的に交換していたところ意識障害(Japan Coma Scaleで100~200)が出現した.ヨー ドホルム使用開始後13日目に血清ヨード濃度を測定すると,6,280μg/dlと著しい高値を呈した. ヨードホルム使用中止後は血清ヨード濃度の低下に伴い意識も徐々に回復し,中止後37日で血清 ヨード濃度は19.9μg/dlまで低下し,3ケ月後に意識清明となった.ヨードホルム中毒においては 血清ヨード濃度が高値を示す報告が散見されるが,これほどの異常高値を呈しながら意識回復した 報告は本症例のみであった.ヨードホルムガーゼは,意識障害が出現することを念頭に置いて注意 深く使用すべきである.

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