Neuropsychiatric systemic lupus erythematosusにおける 髄液IL-6 の有用性に関する臨床的検討

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  • 寶來 吉朗
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 渡邉 秀之
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 宮村 知也
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 高濱 宗一郎
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 平田 明恵
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 中村 真隆
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 安藤 仁
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 南 留美
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 山本 政弘
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター
  • 末松 栄一
    国立病院機構九州医療センター膠原病内科・臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Analysis of Cerebrospinal FluidInterleukin- 6 in Neuropsychiatric Systemic Lupus Erythematosus

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抄録

【目的】全身性エリテマトーデス(SLE)における神経症状はループス腎炎と共に予後を左右する 重要な因子である.今回我々は中枢神経病変の評価における髄液IL-6 の有用性について臨床的検 討を行った.【対象及び方法】当院で神経症状合併SLE と診断した37 症例(男性4例,女性33 例)の臨床症状,血清免疫学的検査,髄液所見,頭部MRI 所見及び脳波所見に関して検討を行った.【結果】全例に精神神経症状,12 例に脳波異常,14例に頭部MRI 異常,11例に髄液細胞数増加,30例に髄液IL-6上昇を認めた.患者を髄液IL-6 上昇群と非上昇群とに分けて比較すると,神経症状(脳血管障害,脱髄性症候,頭痛,運動異常症,脊髄症,痙攣性疾患)及び精神症状(急性昏迷状態,不安症,認識障害,情動障害,精神障害)では両群間に有意差を認めず,脳波及び頭部MRI の異常所見も両群間に有意差を認めなかったが,髄液IL-6 上昇群では髄液細胞数が増加する傾向を認めた.一方血清補体価は髄液IL-6 上昇群で低下していた.更に抗リン脂質抗体陽性群と陰性群に分けて比較すると,陽性群では陰性群より髄液IL-6が低い傾向であった.【考察】SLE における神経症状の診断において髄液IL-6 の値は有用と考えられた.しかしながら髄液IL-6 非上昇群においても中枢神経症状の合併を認めており,髄液所見,画像診断を含めた総合的な評価が重要と考えられた.

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