有頭骨に発生した動脈瘤性骨嚢腫の1例と文献的考察

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  • Aneurysmal Bone Cyst of the Capitate : A Case Report and a Review Emphasizing Local Recurrence
  • Case Report: Aneurysmal Bone Cyst of the Capitate: A Case Report and a Review Emphasizing Local Recurrence

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抄録

動脈瘤様骨嚢腫(Aneurysmal bone cyst:ABC)は, 血液を含む骨嚢胞性病変であり, その成因は不明である. ABCは長管骨に多くみられ手根骨発生は稀である. 症例は15歳男性, 主訴は右手関節痛. 単純レントゲンにて有頭骨に辺縁骨硬化を伴う骨透亮像を認めた. MRIにて内部均一なT1強調一低信号, T2強調一高信号の嚢胞性病変を認めた. この病変に対して掻爬・自家骨移植術を施行した. 肉眼的に病変は血液を含む嚢胞性病変であった. 病理学的に嚢胞壁は線維性組織よりなり, 微小血管, 血管外赤血球を認め, 慢性炎症細胞出現は乏しかった. 臨床病理学的所見よりABCの診断であった. 術後4年の経過にて再発は見られていない. 文献的に有頭骨発生ABCは本症例が2例目であり, 有頭骨を含む手根骨発生(非長管骨)は本症例を含め7例の報告がある. 長管骨発生ABCの再発率は高いが, 手根骨発生ABCの再発の報告はなく, ABCの発生部位特異的な臨床所見の違いが考察された.

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