木質バイオマス燃焼灰の林地還元に向けた基礎知見 : カラマツペレット燃焼灰を用いた検討

書誌事項

タイトル別名
  • Basic Knowledge for Returning Woody Biomass Combustion Ash to Forest Land -A Research using Combustion Ash from Japanese Larch Pellet Fuel
  • モクシツ バイオマス ネンショウバイ ノ リンチ カンゲン ニ ムケタ キソ チケン カラマツペレット ネンショウバイ オ モチイタ ケントウ

この論文をさがす

抄録

本研究は, 木質バイオマス燃焼灰の林地還元に向けた基礎研究である。この研究では次の3点を実施した。すなわち, カラマツペレット燃焼灰を用いて, 1)燃焼灰の化学分析, 2)燃焼灰の固形資材化, 3)燃焼灰と固形資材の苗木への 施用を行った。複数のペレットストーブより燃焼灰を収集し, 一つにまとめて化学分析用のサンプルとした。燃焼灰は, 主要な栄養元素としてカルシウムおよびカリウムを含有し, また強アルカリ性で易溶性のカリウムに富んでいた。重金 属類の含有量および溶出量は, 汚泥肥料での許容上限値もしくは特殊肥料での基準値と同等もしくはそれ未満であった。固形資材は, ペレタイザーを用いて燃焼灰と堆肥より製造した。その成形率は99%で, 燃焼灰と比較して固形資材のpHや電気伝導度は低かった。固形資材の重金属類については, 含有量, 溶出量ともに上記の許容上限値もしくは基準値を下回った。燃焼灰の施用は, 苗木の成長を阻害しなかった。一方, 固形資材の施用により一時的に苗木の成長が遅れた。苗木の針葉や幹枝の重量は, 燃焼灰や固形資材の施用により増加することが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ