九州大学北海道演習林におけるエゾシカ有害鳥獣捕獲の効率とコスト

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タイトル別名
  • Efficiency and cost of nuisance deer population control in Ashoro Research Forest.
  • キュウシュウ ダイガク ホッカイドウ エンシュウリン ニ オケル エゾシカ ユウガイ チョウジュウ ホカク ノ コウリツ ト コスト

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抄録

北海道足寄町に位置する九州大学北海道演習林において実施されたシカ有害鳥獣捕獲の実施状況を明らかにし, 捕獲期間中に目撃されるシカの群れ構成数の動向と捕獲効率や費用との関係について検討した。捕獲期間中, 延べ従事人数は282人, 延べ従事時間は742時間の有害鳥獣捕獲が実施され, 420回の目撃機会があり, 1,711頭を目撃し, 192頭を捕獲した。目撃機会あたり捕獲できる頭数はほとんどの場合1頭であったことから, 目撃機会あたりの群れ構成数が大きいほど取り逃しが増え警戒心の強いシカを生み出すことが懸念された。時間経過にともなう目撃頭数の変化は見られなかったが, 捕獲頭数は減少しており, 時間経過にともなう捕獲効率の低下が示唆された。有害鳥獣捕獲における収支額は一人あたり全体の平均で673円/時間であった。捕獲効率や収支状況は構成した班によって異なっていた。以上の結果から, 詳細なデータを元に捕獲の効果とコストを検証しながら最適な個体数調整の方法を模索していくことが重要であると考えられた。

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