早期胃癌におけるCT-gastrography の初期経験 : 門脈相MDCT の有用性

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  • CT-Gastrography for Early Gastric Cancer Visualized by Wall-Carving Technique : Value of Portal Phase Contrast-Enhanced MDCT

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目的 : これまでのwall-carving technique(WC)image は,動脈相の造影MDCT の画像データのみを用いて早期胃癌の描出能評価がなされている.本研究の目的は,動脈相ならびに門脈相の造影MDCT データでのWC 画像を用いて,早期胃癌の描出能向上の可能性について検討する.さらに描出能と病理学的所見と対比することで,それらの関連性を検討する.対象と方法 : 対象は,早期胃癌と診断され治療前に造影CT を施行した14症例14 病変(平均年齢/範囲 : 75.8 歳/61~86 歳,男/女 : 9/5).64列の多列検出器CT にて,動脈相として造影開始40 秒後と門脈相として60 秒後scan 開始タイミングで撮影された画像データを用いてWC 画像を作成した.WC 画像での癌病変の描出の有無と,病理学的所見である発生部位・肉眼的形態・病理学的分化度・病理学的深達度・線維化発達度・病変長径について関連性を調べた.結果 : 動脈相WC 画像では71.4%(10/14),門脈相WC 画像では71.4%(10/14)で描出されたが,動脈相と門脈相両者のWC 画像のいずれかでの描出は85.7%(12/14)と向上した.また動脈相・門脈相および両者のWC画像での高分化腺癌での描出能が高い傾向にあった.結論 : WC 画像は早期胃癌描出に優れた画像解析手法である.動脈相・門脈相両者でのWC画像で,病変描出能向上が得られる.MDCT での撮影方法について,さらなる造影タイミングの工夫で描出能が向上する可能性がある.

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