ステロイド投与により四肢症状と胸水の改善を認めたRS3PE症候群の1例

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  • 寶來 吉朗
    国立病院機構長崎医療センター総合診療科・リウマチ科・臨床研究センター
  • 松尾 友里子
    国立病院機構長崎医療センター総合診療科・リウマチ科・臨床研究センター
  • 竹本 真之輔
    国立病院機構長崎医療センター呼吸器内科
  • 岩永 希
    国立病院機構長崎医療センター総合診療科・リウマチ科・臨床研究センター
  • 和泉 泰衛
    国立病院機構長崎医療センター総合診療科・リウマチ科・臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • SteroidTreatment of Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema Syndrome Complicated by Pleural Effusion : A Case Report

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抄録

症例は60 歳代,男性.四肢末端の浮腫及び関節痛を生じ当科紹介受診.労作時呼吸困難と胸部画像所見での右側胸水も認めていた.急性の発症様式,滑膜炎症状,リウマトイド因子陰性,X 線上骨びらんを認めないことからRS3PE 症候群と診断.画像所見上異型肺炎の合併も否定できず,抗菌薬の投与を先行して行ったものの,胸水はわずかに減少したのち再度の増加を認めた.悪性腫瘍など,胸水の原因となりうる他の疾患を認めなかったため,RS3PE 症候群に関連した胸水と判断しプレドニゾロン(PSL)15 mg/日の投与を開始した.開始後速やかな四肢末端症状と胸水の改善を認め,PSL減量後も再燃は認めなかった.胸水はRS3PE 症候群における稀な合併症であるが,感染症や悪性腫瘍等他の原因が否定的である場合には,四肢症状のみならず胸水に対してもステロイド治療が有効である可能性を考慮し治療を試みることも選択肢として考えられる.

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