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- 黥と渡来人
- イレズミ ト トライジン
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渡来人の問題は、日本歴史の文化を研究する上で重要な課題である。一般には、渡来人は稲作とともに日本列島に入ってきたとされている。しかし、考古学の資料を見ると、古くは稲作が渡来した以前の縄文時代前・中期には、日本列島において、大陸文化に極めて類例した新しい文化要素が、すでに出現していたことが判明する。特に、顔に刻まれた入れ墨を特徴とする土偶などは、大陸の黄河流域における新石器文化に見られる入れ墨の形象と、ほぼ完全に一致している。入れ墨は、古代中国においては刑罰の一種であり、その起源も大変古い。入れ墨の刑を受けた者は、ただちに辺境の寒冷な北方地区に追放されるのが常で、二度と故郷に戻ることはなかった。このため、受刑者が追放された地方もまた、「鬼」の国と呼ばれていた。アジア東北地域に広く存在していた「鬼」の信仰など、この地域一帯で古くから密接な交流があったことを物語っている。初期に日本に上陸してきた「渡来人」とは、入れ墨の刑を受けた大陸からの流刑囚であった可能性を提起したい。彼らの影響によって日本列島では「紋身黥面」という風習が起こったのではなかろうか。
Journal
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- 日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
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日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 20 31-67, 2000-02-29
国際日本文化研究センター
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174724148864
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- NII Article ID
- 120005681676
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- NII Book ID
- AN10088118
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- ISSN
- 24343110
- 09150900
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- NDL BIB ID
- 5338657
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- departmental bulletin paper
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- Data Source
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- JaLC
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