書誌事項
- タイトル別名
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- スタヤマ (アオキヤマ) ニ ツイテ カンガエル ヤマシ ト ヤマブシ ノ カゲ オ オッテ
- ドデンサン(アオキサン)ニ ツイテ カンガエル : ヤマシ ト ヤマブシ ノ カゲ オ オッテ
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説明
会津若松郊外にひとつの風景を描く、奴田山(青木山)の歴史民俗が話題を呼んでいる。この山の名称は本邦でも殊に希である。またその昔、山師や修験者の影が見え隠れした山麓の、歴史地理や民俗に関する話題は興味深い。前稿に続き本稿ではこの山域の小字名を論拠とし、奴田山に加えて奴女入(旧川渓村)の名称由来や、青木の麓山神社鎮座位置などを論考する。1. 山名由来に係わる小字名ア 旧大巣子村の小字名には谷地平・奴駄平・奴駄山・奴駄原・霜降などがある。イ 門田町御山の小字名コードには、奴田山甲がある。 ウ 青写真地図(会津若松市役所税財務部務課所蔵)では小字名奴田山を確認した。本地図(青写真複写)の原図は手書きで、原図製作年代その他は詳細不明である。2. 山名と地形図への記載理由(次の2仮説の内どちらかが該当すると考える。)ア 山の名称は御山小字名コード欄の奴田山甲や青写真地図上での奴田山に由来する。イ 地形図(5万図)作成時に奴田・吹矢山系東側での呼び名(奴田山)が採用された。3. ヌタおよびヌダについてア 「ヌタやヌダ」は蔑視や蔑称と関係のない日常用語である。イ 「ヌタやヌダ」は地勢を指す用語で、湿地を意味する(未発達の幅広い沢状の土地や窪地を含む)。 ヌタの語義は山中の湿地である。ウ 大巣子集落周辺に「ヌタやヌダ」のつく小字名が多い。これは全国的にも希である。エ 山名は「ヌダヤマ」から「ヌタヤマ」へ変わり、「駄」の当て字として「田」を用いた。オ ヌタノ原山(新編会津風土記・大巣子村)に関する「ヌタ」の呼称はエの証といえよう。4. 奴女入(旧川渓村)に係わる小字名の由来(推測) 大正時代初期に奴女入付近から金が採掘された。金鉱石の冶金には丹生(辰砂、硫化水銀)を必要とする。これは次の「イ」と「ウ」との推測を生む。ア 「奴」は「ヌ」と呼び、湿地を意味する。イ 「女入」は「女(に)布(ふ)」から転訛したものである。ウ 「奴女入」とは辰砂の採掘に由来する地名である。5. 青木麓山神社の鎮座位置と上ホシ山について前稿で推察した通り、青木の麓山神社は上ホシ山の中腹に鎮座している(平成24年3月22日参拝)。
収録刊行物
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- 会津大学短期大学部研究紀要(CD-ROM版)
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会津大学短期大学部研究紀要(CD-ROM版) (70), 1-14, 2013-03-25
ja
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174731666816
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- NII論文ID
- 110009555708
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- NII書誌ID
- AA12591770
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- NDL書誌ID
- 024801355
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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