宮城県内の化学物質過敏症患者に関する症例報告

書誌事項

タイトル別名
  • Case Report Concerning Multiple Chemical Sensitivity Patients in Miyagi Prefecture
  • ミヤギケン ナイ ノ カガクブシツ カビンショウ カンジャ ニ カンスル ショウレイ ホウコク
  • ミヤギ ケンナイ ノ カガク ブッシツ カビンショウ カンジャ ニ カンスル ショウレイ ホウコク

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説明

宮城県内でMCS専門医に化学物質過敏症(MCS患者)と診断された44名を対象にしてQEESI問診票を用いた健康調査を行い、その得点を年令性別のマッチした対照群と比較した。患者群は対照群と比べ症状、化学物質不耐性、日常生活障害得点が有意に(p<0.001)高かった。患者群は一つ以上の複数の他覚的臨床検査(眼球運動、瞳孔反応、コントラスト感度、NIRO、神経反射、心電図)で異常又は軽度異常が検出された。現地訪問により44名中34名は発症要因が住居内にあるいわゆるシックハウス症候群患者でもあると推定された。そこで患者宅の室内空気汚染物質を測定し、その結果を因子分析して各因子の合成得点と患者のQEESI得点を検討した。最も多くの症状や化学物質不耐性得点との間に正の相関関係が認められたのは、第3因子に抽出された建材や塗料に多用されている6物質(アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、1,2,3-トリメチルベンゼン、2,2,4-トリメチルペンタン、トリクロロエチレン、エタノール)であった。以上の結果から、これらの室内空気汚染物質が本調査対象患者の症状や化学物質不耐性の主要な原因物質である可能性が示唆された。

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