熊澤蕃山における誠意と致知の解釋について : 中江藤樹の思想との比較

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タイトル別名
  • A Study on Kumazawa Banzan's interpretation of 'Sei-i' and 'Chichi' : Compare with Nakae Toju's thought
  • クマザワ バンザン ニ オケル セイイ ト チチ ノ カイシャク ニ ツイテ : ナカエ トウジュ ノ シソウ ト ノ ヒカク

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抄録

誠意と致知は,『大學』における重要な德目である。本稿では,熊澤蕃山が著した『大學和解』と『大學小解』を中心資料として取りあげて,藤樹學に對する蕃山の評價を檢討した上で,中江藤樹の思想と比較しながら,誠意と致知について蕃山の解釋を考察し,蕃山の思想の特徴と學問の形成を解明してみたい。檢討の結果,蕃山は藤樹と同樣に,王陽明と朱熹の説を折衷し,古本『大學』を定本とするが,經文と傳文を區別している。そして、藤樹の説を踏襲し,誠意の「意」を孔子が絶ち切った「私意」と解釋し,王陽明が唱えた「致良知」と同じ旨意で、致知を解釋している。さらに、朱子學と陽明學の分岐に對して,藤樹に從って折衷した姿勢を示している。『大學』の解釋について,蕃山は藤樹の思想を忠實に繼承したのである。

収録刊行物

  • 研究論集

    研究論集 18 17-29, 2018-12-26

    北海道大学文学研究科

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