幼児が求める保育者像の探索―学生の豊かな保育者像の形成に向けて―

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タイトル別名
  • The exploration for ideal images of preschool teacher preferred by young children: Towards enhancement of the ideal image that students should aim for
  • ヨウジ ガ モトメル ホイクシャゾウ ノ タンサク : ガクセイ ノ ユタカ ナ ホイクシャゾウ ノ ケイセイ ニ ムケテ

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抄録

保育者養成課程の学生にとって、自分なりの目指すべき保育者像を形成することは重要である。 しかし、保育現場に望ましい保育者像は、どのような視点に基づくかで多様でもある。本研究は、 これまで十分に検討されてこなかった幼児が求める保育者像を探索し、その知見を学生の豊かな保 育者像形成にどう活かすかを検討した。教育実習(幼稚園)直後の学生71 名を対象に、実習中に 幼児が「嬉しい」と語った保育者の関わりを想起させ、分類した。その結果、幼児が「嬉しい」と 感じた保育者の関わりは、「言葉」と「行為」に大別された。「言葉」は5 つのカテゴリーに分類さ れ、「承認欲求」と「達成欲求」のいずれかが満たされること、一方、「行為」は9 つのカテゴリー に分類され、「楽しさ」「安心」「自尊感情」のいずれかが満たされることによって、幼児は「嬉しい」 というポジティブな感情を喚起することが明らかになった。こうした結果から示唆される幼児が求 める保育者像と、幼稚園教育要領等が示す保育者の役割との異同について考察し、授業を通して、 学生がより豊かな保育者像形成するには、多様な視点からの保育者像を比較・統合するメタ認知が 重要であることを提起した。

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