The First-person Pronoun of the First-person Novel in Shirakaba School, Satomi Ton’s Novel : The Features Visible from Comparison with Shiga Naoya

DOI IR Web Site Open Access

Bibliographic Information

Other Title
  • 白樺派・里見弴の一人称小説の地の文における人称代名詞 : 志賀直哉との比較から見える特徴
  • シラカバハ サトミ トン ノ イチニンショウ ショウセツ ノ ジ ノ ブン ニオケル ニンショウ ダイメイシ シガ ナオヤ トノ ヒカク カラ ミエル トクチョウ
  • シラカバハ ・ サトミジュン ノ イチニンショウ ショウセツ ノ チ ノ ブン ニ オケル ニンショウ ダイメイシ : シガ ナオヤ ト ノ ヒカク カラ ミエル トクチョウ

Search this article

Abstract

本稿は、『白樺』創刊メンバーである里見弴に注目して、一人称小説の地の文において、どのような人称代名詞が使われているかを分析したものである。白樺派の一人称小説については、「自分小説」といわれるように「自分」を使うのが特徴だが、里見は「自分」をいっさい使っていないのが特徴である。里見が使っている人称代名詞は、「私」「俺」「予」「僕」「わたし」「あたし」であり、「私」の使用がもっとも多い。「私」が使用されているものは、語り手が過去を回想する自叙伝的な小説であり、過去の自分自身を客観的に描き出すために、「私」が選択されており、「私」以外の人称代名詞が使われている「荊棘の冠」や「喜代女日記抄」は、自叙伝的な小説とはいえず、『白樺』以前の一人称が作者と別人の一人称小説と同じである。一方「無題」は、「俺」という人称代名詞を使うことで、里見自身の内面を赤裸々に表現することに成功した唯一の一人称小説だといえる。

Journal

  • 研究論集

    研究論集 113 119-134, 2021-03

    Kansai Gaidai University

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top