時間評価の認知過程 : 作業記憶の役割

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タイトル別名
  • Cognitive processes in time estimation : The role of working memory
  • ジカン ヒョウカ ノ ニンチ カテイ サギョウキオク ノ ヤクワリ

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抄録

心理的時間、それに基づく時間知覚・時間評価についての研究は古くから行われており、多くの知見が蓄積されてきている。体温、覚醒といった生理的条件や、時程中に呈示される刺激の強度、記憶に保持される情報量、注意配分、与えられる課題の処理量などの認知的条件など、様々な条件が時間知覚・時間評価に影響を及ぼすことが明らかにされてきた。本稿では、特に時間評価における種々の認知的過程の役割について論議する。最初に心理的時間研究における用語、方法論、概念について整理する。次に、注意、記憶、変化、時程の分割などの認知的・知覚的過程が時間評価に及ぼす影響について、先行研究の諸知見を概観する。最後に、時間評価実験への作業記憶の概念の導入を試みる。作業記憶理論では、符号化された情報は、それぞれ異なる下位記憶システムで保持・処理されると考えられている。Baddeley(1990)によれば、言語材料の保持・処理はそれぞれ、音韻ループ(phonologicaHoop)内の音韻貯蔵と構音コントロール過程で行われる。この音韻ループの時間評価における役割に関する実験を報告する。

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