言語の座 : ソシュール言語学における言語の理論的役割について
書誌事項
- タイトル別名
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- La siège de la langue : sur la fonction théorique : de Ia langue dans la linguistique saussurienne
- ゲンゴ ノ ザ : ソシュール ゲンゴガク ニ オケル ゲンゴ ノ リロンテキ ヤクワリ ニ ツイテ
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説明
F.de. ソシュール(1857-1913)は『一般言語学講義』(以下『講義』)のなかで、「言語とはなにか」という問いを提起する。そこでは、言語が社会的生産物であること、および言語が言語活動から区別されることが述べられる。しかしながら、ここで用いられている社会という語の意味も不明瞭であり、またどのような意味で言語と言語活動の区別が可能であるのかということについても明確に示されていない。これは、『講義』という書物が編者によって加筆修正されたものであり、したがってソシュールの真意を反映したものではないことに起因するだろう。しかし、残された草稿および聴講生らによる講義の記録を参照することで、言語の社会性、および言語と言語活動の区別ということに対してソシュールが与えた意味を復元することは可能である。本稿ではまず、「ホイットニー追悼文」(1894)の分析から、ソシュールが社会という語に、自然的関係および個人の意志的行為の排除という二つの意味を与えていることを確認する。そのうえで、『講義』において社会が言語と結びつけられる意味を、R. エングラーによる『講義(校訂版)』および E. コンスタンタンによる『第三回講義記録』を用いて明らかにしたい。これによって、ソシュール言語学における言語の理論的位置、ならびに、理論と対象に関するソシュールの認識論の一端を示すことが本稿の目的である。
収録刊行物
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- 年報人間科学
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年報人間科学 32 173-188, 2011-03-31
大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174758041088
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- NII論文ID
- 120004839420
- 40018911052
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- NII書誌ID
- AN0020011X
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- DOI
- 10.18910/5223
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- HANDLE
- 11094/5223
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- NDL書誌ID
- 11169359
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- ISSN
- 02865149
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles