日本語版BIS/BAS尺度の作成

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Japanese version of the BIS/BAS scale
  • ニホンゴパン BIS/BAS シャクド ノ サクセイ
  • ニホンゴバン BIS BAS シャクド ノ サクセイ

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説明

本研究では、人の行動がどのような構造によって成り立っているのかについて、本質となる目的の志向性、行動が生じる一連の認知的プロセス、神経システムによる解釈、パーソナリティとの関連などの点に注目してレビューを行った。レビューの中では、行動の接近と回避の傾向に関するパーソナリティとして、行動抑制システム(BIS)と行動活性化システム(BAS)の感受性について触れている。両システムは独立した神経システムによって支えられている。BASは、報酬・無罰・罰からの解放の信号によって活性化され、目的達成に向かう行動を担うシステムであり、BIS は、罰・無報酬・新規性の信号によって活性化され、ネガティブな結果に至ると予測される行動の回避を担う。この両システムの感受性を測定するために、Carver & White(1994)によってBIS/BAS 尺度が作成されており、レビューの後に同尺度の日本語版を作成した。両システムの感受性を測定するBIS/BAS 尺度を翻訳し、他の関連する尺度(MAS, MPI)と併せて、数回質問紙調査を実施することにより、日本語版BIS/BAS 尺度の信頼性と妥当性を検討した。その結果、本研究で作成した日本語版BIS/BAS 尺度における、平均値と分散の程度、下位因子の内的信頼性や、他の尺度との相関関係などに関して、Carver & White(1994)のBIS/BAS 尺度とほぼ同様の結果を示した。これらのことから、本研究で作成した日本語版BIS/BAS 尺度は、Carver & White(1994)の作成した尺度と同様に、BIS とBAS の感受性を測定する目的で使用可能であると結論づけられた。

収録刊行物

  • 対人社会心理学研究

    対人社会心理学研究 5 49-58, 2005

    大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室

被引用文献 (1)*注記

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