『女性における「処女性」に関する臨床心理学的研究』 : 「少女性」との対比から

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タイトル別名
  • A study on “Virginity" of Women : compared with “Girlhood"
  • ジョセイ ニオケル ショジョセイ ニカンスル リンショウシンリガク テキ ケンキュウ ショウジョセイ トノ タイヒ カラ

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抄録

論文

本論文では女性にとって重要な意味があると思われる「処女性」に関する考察を、臨床心理学的視点から行った。「処女性」とは女性における性体験の有無を示すのではなく、古代ギリシャにおける「処女」、すなわち「パルテノス」の意味に由来する、女性の独立性、自律性を表している。聖母マリアの有名なエピソード、「受胎告知」からそのイメージを明らかにし、更に「少女性」との比較から心理学的な意味付けを試みた。「少女性」とは「少女」という言葉に連想されるような、「何にも制限されず、自分のなりたいもの何にでもなることができる」自由な意識そのものでもあり、またそのような「自由」を追い求める心性でもある。このような「少女性」を『旧約聖書』中のイブを通して明らかにし、マリアの「処女性」との比較を行った。自分の思うままにならない、どのような現実を受け入れても揺るがない独立性が「処女性」であり、それを備えていたからこそ、マリアは彼女の身に起こった思いもがけない運命を受け入れることができたのである。このような「処女性」を獲得することは女性にとって、ひいては男性にとって意味があると筆者は考え、本論文で定義することを試みた。

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