詩の生成 : ポーリーヌ・メアリ・ターン「コブレンツの思い出」をめぐって(その1)

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タイトル別名
  • シ ノ セイセイ : ポーリーヌ ・ メアリ ・ ターン 「 コブレンツ ノ オモイデ 」 オ メグッテ(ソノ 1)
  • La genese d’une poesie : autour du ≪Souvenir de Coblenz≫ de Pauline Mary Tarn

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抄録

ルネ・ヴィヴィアンの少女時代の手稿としてフランス国立図書館に収蔵されているのは,「ルネ・ヴィヴィアンの手帳 (Carnets de Renée Vivien)」とヴィヴィアンがアメデ・ムレ(Amédée Moullé) に宛てた100枚を超える書簡、この二つのもののみであるが,2012年には,ムレ宛書簡が交わされたのとおそらくは同時期に書かれたものと思われる花をテーマとした詞華集が,ヴィヴィアンの子孫にあたる女性からの資料提供を受けて出版されている。小論では,このうち創作ノート(NAF 26580)の中で小旅行の印象記のようなかたちで初め言及されたコブレンツの思い出が,アメデ・ムレ宛の書簡の中で韻文詩の体裁をとり,さら彫琢が加えられているさまを観察することによって,詩人となる自覚を持ったヴィヴィアンが,どのように詩を作り上げて行ったのかを素描し,その詩作の秘密に迫ることを試みたい。

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