海水マグネシアより得た人工ドロマイトのFe-Si還元について

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タイトル別名
  • On the Reduction of the Artificial Dolomite obtained from Sea-water Magnesia by Fe-Si
  • カイスイ マグネシア ヨリ エタ ジンコウ ドロマイト ノ Fe Si カンゲ

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type:Article

Having studied on the reduction of artificial dolomite from sea-water mangesia, we obtained following results. 1) The effects of Si content and CaO/MgO in briquette on the yield of Mg show no difference between artificial and natural dolomite. 2) Sufficient washing of sediment of Mg(OH)_2 is essential to get suitable raw materials for the thermal reduction of Mg. 3) It is required to take off undissolved Mg(OH)_2 in briquette before reduction by preheating and dehydration. 4) There are not so large differences between artificial and natural dolomite, so far as reduction rate and purity of Mg are concerned.

マグネシウム製錬法として今日工業的に採用されているのは,l.G.法とDow法に大別される電解法と熱還元法である。熱還元法としては,MgOをCによって還元するHansging法,CaC_2によって還元するMurex法などが過去におこなわれたが,現在はPidgeonレトルトを使用して,ドロマイトをFe-Siで還元するPidgeon法だけがおこなわれている。熱還元法の主流であるPidgeon法は,1942年カナダにおいて年産5,OOOtの工場が建設され,アメリカにも導入された。我国においても,1957年栃木県小山市に古河マグネシウム株式会社が工場を建設し,増産を重ねて今日に至っている。一方,無尽蔵な海水中に約50mg Mol/l含まれるマグネシウムイオンを,石灰,ドロマイト,カーバイドかすなどのアルカリ添加によって沈殿回収し,これより得た人工ドロマイトのFe-Si還元による金属マグネシウムの製造が考えられる。天然ドロマイトのFe-Si還元に関する研究は数多くあるが,海水マグネシアの還元としては,永井らによるCaSi_5還元が報告されているだけである。海水マグネシアを利用した人工ドロマイトの還元による金属マグネシウムの製造は,字部化学株式会社によって工業化されているけれども,この方面に関する研究報告は全く認められない。本報は,先に述べた海水マグネシアの性質,人工ドロマイトの製法,ならびにFe-Si還元上の諸問題に続くFe-Siの還元に関する報告である。

identifier:富山大学工学部紀要,27

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