文系学部卒男性がもたらす若年層の権威主義化

DOI HANDLE オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Authoritarian Tendencies in Younger Japanese Driven by Male College Graduates Majoring in Social Sciences and Humanities
  • ブンケイガクブソツ ダンセイ ガ モタラス ジャクネンソウ ノ ケンイ シュギカ

この論文をさがす

抄録

社会学 : 論文

本稿では、「なぜ若年層の権威主義化が生じたのか」を明らかにするため、「大学進学率」と「専攻分野」を用いた説明を試みた。先行研究では、若年・高学歴層の権威主義化が指摘されていたが、高学歴層のうち、どのような人たちが権威主義化しているのかについては明らかにされてこなかった。そこで、SSM1995データとSSP2015データの比較を行った結果、若年層における権威主義化は高学歴男性において生じていたことが確認された。そして、高学歴層の権威主義化についてより詳細に検討するために、SSP2015データを用いた構造方程式モデリングにより、「大学進学率」と「専攻分野」の交互作用効果を検討した。その結果、大学進学率の高まりにともなって、文系学部卒の男性が権威主義傾向を示すことが明らかとなった。大学進学率と権威主義的態度に関連が見られたのは、相対的権威主義層の高等教育への流入と学生同士の相互作用によると考えられる。以上より、高等教育の拡大に伴う文系学部卒男性の権威主義化によって、若年層の権威主義化がもたらされたことが示唆された。

収録刊行物

  • 年報人間科学

    年報人間科学 38 139-157, 2017-03-31

    大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174761582336
  • NII論文ID
    120005998756
  • NII書誌ID
    AN0020011X
  • DOI
    10.18910/60473
  • HANDLE
    11094/60473
  • ISSN
    02865149
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

問題の指摘

ページトップへ