第二言語としての日本語の終助詞習得研究の展望

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  • ダイニ ゲンゴ トシテ ノ ニホンゴ ノ シュウジョシ シュウトク ケンキュウ ノ テンボウ

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説明

本稿では、第二言語としての日本語の終助詞習得研究について、母語としての習得の事例をふまえたうえで(2節)、これまでの研究の整理と展望をおこなった。これまでの研究の展開としては、90 年代以降、ネ・ノダの習得研究がいくつか進められており、2000年代に入ってからヨなどの他の終助詞についても視点が向けられるようになっている(3節)。それらの研究の結果、ネについては、a)他の文法項目よりも習得が遅れること(ただし、自然習得の場合はむしろ早く習得される)、b)「そうですね」というチャンクの形から使用が始まること、c)習得にあたって個人差が大きいことなどが明らかになっている(4.1 節)。また、ヨについては、「反論」の形式として人間関係にマイナスと判断され、ネより使用が少なくなりがちであることがわかっている(4.2 節)。ノダについては、「説明」あるいは「のですが」という形での「前置き」の用法が習得されやすい傾向にある(4.3節)。また、文末表現全体を包括的に分析すると、習得順序に一定の規則性があることが示唆される(4.5節)。今後の展望としては、4節の記述にあわせた形で、ネについての議論(5.1節)、ネ以外の終助詞を記述する必要性(5.2節)、終助詞全般の包括的な記述の必要性(5.3節)の順に整理した後、調査方法(5.4節)およびイントネーションとの関わり(5.5節)についても議論をおこなった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174762283392
  • NII論文ID
    120004945491
  • NII書誌ID
    AA11555159
  • DOI
    10.18910/23223
  • HANDLE
    11094/23223
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles

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