アメリカ災害社会科学の系譜と研究動向 : 災害研究センター(DRC)を中心とした歴史背景から

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書誌事項

タイトル別名
  • The genealogy and trends of disaster social science in the United States : From the School of Disaster Research Center
  • アメリカ サイガイ シャカイ カガク ノ ケイフ ト ケンキュウ ドウコウ サイガイ ケンキュウ センター DRC ヲ チュウシン ト シタ レキシテキ ハイケイ カラ

抄録

一般論文

本研究は、2018年現在のアメリカにおける災害社会科学の研究動向を、1960年代からの研究系譜に沿いながら、歴史的に明らかにすることを目的とした。はじめに、アメリカの災害研究とDRCを中心とした研究系譜について、次に、研究の系譜をキーワードからまとめ、さらに、具体的な事例をもとに近年の研究ラインを紹介し、最後に、災害に関する動向をテキストマイニングによって分析した。以上から、アメリカ災害社会科学は、災害を一過性で局所的なイベントではなく、「プロセス(現象)としての災害観」を基盤としてきたこと、当初の組織論と災害対応期に着目した研究は、今日でも継続されているが、今日では、徐々に展開される形で中長期の復興研究にも広がりつつあることを示した。一方で、「プロセスとしての災害観」を強く打ち出しながらも、甚大な被害をもたらしたイベントを対象とすることが多く、その都度対象が変化する研究からは、社会や文化、歴史という側面が脱色され、普遍的な知識や真理を個別具体的な研究対象から切り取ることが可能だと(無根拠に)想定するタイプの災害研究になっていることを問題として指摘した。

収録刊行物

  • 災害と共生

    災害と共生 2 (2), 15-40, 2019-01

    「災害と共生」研究会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572174766410368
  • NII論文ID
    120006547471
  • DOI
    10.18910/71124
  • ISSN
    24332739
  • HANDLE
    11094/71124
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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