女子大学生の HPV ワクチン接種と子宮頸がん検診受診に関する実態調査

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  • ジョシ ダイガクセイ ノ HPV ワクチン セッシュ ト シキュウケイガン ケンシン ジュシン ニ カンスル ジッタイ チョウサ

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抄録

日本ではHPV ワクチン接種の公費助成が2010 年11 月に開始された.しかし,ワクチン接種後に副反応が多数報告されたことを受け,政府は2013 年6 月からワクチンの積極的な接種の勧奨を中止している.本研究では,HPV ワクチンの積極的な接種の勧奨を受け,その後に接種勧奨中止となった世代の子宮頸がんの予防行動の実態を明らかにするため,看護学部に在籍する女子大学生に質問紙調査を行った.また,ワクチン接種の判断の自発性と子宮頸がんの予防行動との関連性をχ2 検定もしくはFisher の正確確率検定を用いて分析した.その結果,対象者164 人のワクチン接種率は84.4% であり,検診受診率は4.3% であった.検診に関する知識3 項目の認知率はいずれも4 割以下であり,検診受診の必要性への認識が薄いことが示唆された.ワクチン接種を自発的に判断した者と受動的に判断した者との間には,検診受診率に有意な差はなかった.ワクチン接種に対する当時の自発性は,現在の子宮頸がん検診の受診行動に影響を与えていないことが考えられた.HPV ワクチン接種の積極的勧奨を受けた世代である対象者に対し,子宮頸がんの予防を徹底していくためには,検診の意義や必要性の理解を促す情報提供が求められる.

identifier:http://usprepo.office.usp.ac.jp/dspace/handle/11355/470

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