大阪方言の平叙文における「ネンナ」 : 「ネン」に固有の意味特徴

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  • オオサカ ホウゲン ノ ヘイジョブン ニ オケル ネンナ ネン ニ コユウ ノ イミ トクチョウ

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本稿は、大阪方言のノダ相当形式である「ネン」が、同じくノダ相当形式である「ンヤ」と比 べて意味的にどのように異なるかを「ネンナ」という形式を通して考察したものである。具体的には、「ネンナ」という形式を、「ネン」が「ンヤ」に置き換えられるかという観点で分類し、そこから「ンヤ」にはない「ネン」に固有の意味特徴を明らかにした。本稿で明らかにしたことは以下のとおりである。(a)「ネンナ」の持つ用法のうち、〈確認要求〉と〈把握〉は「ンヤナ」に置き換えることができ、〈認識共有〉と〈情報提示〉は「ンヤナ」に置き換えることができない。(b)「ンヤナ」に置き換えられない〈認識共有〉と〈情報提示〉の「ネンナ」には、「話し手の判断を介さない」「聞き手に一方的に伝える」という共通した意味特徴がある。「ンヤナ」に置き換えられる〈把握〉および〈確認要求〉の用法はこの特徴を欠いている。(c)「ンヤナ」にはなく「ネンナ」に固有の意味特徴は、文末の「ネン。」が持つ「ンヤ。」にはない固有の意味特徴とおおむね一致しており、ここから、少なくとも文末および「ナ」が続く環境においては、「話し手の判断を介さない」「聞き手に一方的に伝える」が「ネン」に固有の意味特徴であると考えられる。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390572174768470144
  • NII Article ID
    120006769849
  • NII Book ID
    AA11555159
  • DOI
    10.18910/73638
  • HANDLE
    11094/73638
  • Text Lang
    ja
  • Article Type
    departmental bulletin paper
  • Data Source
    • JaLC
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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