<実践報告>新人助産師の分娩管理能力を育成する教育体制の課題

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タイトル別名
  • 新人助産師の分娩管理能力を育成する教育体制の課題
  • シンジン ジョサンシ ノ ブンベン カンリ ノウリョク オ イクセイ スル キョウイク タイセイ ノ カダイ

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説明

目的: 新人助産師が1年間で行った分娩介助事例の経過と転帰を分析し,新人助産師の分娩管理能力を育成する教育体制の課題を検討することである。\r 実践内容: プロジェクトで作成した新人助産師教育プログラムに沿って,1年間の教育を行った。分娩介助事例の実践評価は,新人助産師の自己評価と指導助産師による評価を行った。分娩介助を行った事例\r の情報を整理し,分娩介助事例の転帰から,分娩時の異常の原因や要因を分析した。\r 結果: 分娩介助を行った62事例のうち,ローリスク事例は52事例であった。ローリスク事例では,分娩第1期の自然陣痛は34事例,分娩第2期の自然分娩は36事例,分娩第3期・4期の正常範囲の出血は39事例であった。最終的に正常分娩と診断されたのは18事例であった。62事例のうち,吸引分娩は20事例であり,吸引分娩の適応は胎児機能不全が13事例であった。分娩後2 時間までの出血量が500g以上であった異常出血は18事例であった。\r 考察: 新人助産師の分娩管理上の課題として,分娩第2期の胎児管理と分娩後2時間までの出血管理の2つが挙げられた。分娩介助事例の自己評価では,分娩進行のプロセスで,新人助産師が行っている臨床判断である思考過程の客観的な査定やそのプロセスで新人助産師が抱える課題を把握することに限界があることが明らかになった。その対策として,次年度の新人教育プログラムでは,毎月1回,分娩介助を行った事例に関する事例検討を行うことを加えた。事例検討を通して,新人助産師が行った分娩管理上の課題を明らかにするとともに,その課題の達成状況や臨床判断の思考過程を教育担当者全員で共有することとした。

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