肺癌定位放射線治療後の肋骨骨折について

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抄録

原発性肺癌に対する定位放射線治療後の肋骨骨折の発生頻度、発生時期、前兆となるCT所見、危険因子、臨床症状との関連に関して検討した。【対象】2001年11月~2008年4月に原発性肺癌に対して定位放射線治療を施行した87例(男性60例、女性27例)。肋骨骨折に関してはCT画像にて評価を行い、胸壁障害に関してはCTCAEv3.0に従って評価した。【結果】経過観察期間は平均38カ月(14~89カ月)。肋骨骨折が出現したのは41例(非骨折46例)、発生頻度は47.1%であった。肋骨骨折発生までの期間は平均16.8カ月(2~45.5カ月)。CT画像上肋骨骨折発生前もしくは発生時に胸壁浮腫や骨皮質の変化(皮質非連続性)が認められ、骨折群ではこれらの発生頻度が有意に多かった。性別(女性)や腫瘍と胸壁との距離(近くなること》が肋骨骨折の危険因子であった。また骨折群のみにGrade2の疹痛出現を認めた。【結論】原発性肺癌に対する定位放射線治療後、高頻度に肋骨骨折を生じ、時に臨床的に問題となることがある。性別(女性)・胸壁との距離が肋骨骨折発生の危険因子であった。

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