The Crown of the East : The Centre of the New World in Shanghai

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  • 東方の冠 : 上海という新しい世界の中心

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抄録

2010年に行われた上海万博において、中国国家館の建物は「東方の冠」と名づけられた。「東方の冠」には、中国文化の固有の表象が嵌めこまれるとともに再配置されている。その意味で、「東方の冠」は単なる万博のパビリオンの1つではなく、中国の伝統的な思想や文化、価値観、普遍性を表現し、世界に対して中国が自らの立場を示した建物である。また、19世紀から20世紀にかけて植民地であった上海という都市が、21世紀になって外国ではなく中国自身の手によって「新しい世界の中心」という性格を手にしたことは、「東方の冠」から「新たな世界の秩序」が生まれる可能性を予想させるものであった。本論は、文化的な要素の解釈を通し、「東方の冠」が持つ意味を検討するものである。

収録刊行物

  • 国際日本学

    国際日本学 11 61-84, 2014-03-31

    法政大学国際日本学研究所

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